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【社説】2020年12月12日:脱炭素やデジタル化を税制でも支えよ/異例ずくめだった新ワクチン

脱炭素やデジタル化を税制でも支えよ

記事本文

www.nikkei.com

要約

税制改正大綱がまとまった。脱炭素やデジタルに向けた減税もあるが、コロナ禍で緩んだ財政規律にも目を向けなければならない。

感想

今月10日、与党は来年度の税金の見直し方針を示す「令和3年度税制改正大綱」を取りまとめ、公表しました。

www.jimin.jp

例年通りであればこの大綱を踏まえ財務省で「令和3年度税制改正の大綱(仮)」が作成され今月中に閣議決定、その後財務省の大綱に基づき税金の額を変更するなどの法案が国会に提出され、3月中に成立・公布、4月1日(年度初め)から施行される流れになる見込みです。

 

いわば来年度支払う税金がどのように変わるのかという最初の指針とも言えるので、何が書いてあるのか気になりますね。

HPに掲載されている資料によると、以下の観点からの税制改正が示されています。

1.ウィズコロナ・ポストコロナの経済再生
(1) 産業競争力の強化に係る措置
  ① 企業のDXを促進する措置等の創設

  ② 活発な研究開発を維持するための研究開発税制の見直し

  ③ コロナ禍を踏まえた賃上げ及び投資の促進に係る税制の見直し

  ④ 繰越欠損金の控除上限の特例

(2) 株式対価M&Aを促進するための措置の創設

(3) 国際金融都市に向けた税制上の措置

  ① 法人課税

  ② 相続税

  ③ 個人所得課税

(4) 固定資産税

(5) 自動車税及び軽自動車税の環境性能割の臨時的軽減

(6) 住宅ローン控除等

(7)その他考慮すべき課題

2.デジタル社会の実現
(1) 民間におけるデジタル化の促進
  ① 企業のDXを促進する措置の創設

  ② 研究開発税制の見直し

(2) 納税環境のデジタル化
  ① 税務関係書類における押印義務の見直し

  ② 電子帳簿等保存制度の見直し等

  ③ 地方税務手続のデジタル化の推進

3.グリーン社会の実現
(1) カーボンニュートラルに向けた税制措置の創設

(2) 車体課税

(3)経済と環境の好循環の実現

4.中小企業の支援、地方創生
(1) 中小企業向け投資促進税制等の延長
  ① 中小企業による積極的な設備投資等の支援

  ② 地域社会における先進的な設備投資や災害に備える設備投資に対する支援

(2) 所得拡大促進税制の見直し

(3) 中小企業の経営資源の集約化に資する税制の創設

(4) 固定資産税等

(5) 地域の活性化、地域社会の安全・安心の向上
  ① 地域における移動の利便性向上

  ② 地方の生活を支える自動車の安全性能の向上等

  ③ 災害に対するきめ細やかな対応

5.経済社会の構造変化を踏まえた税制の見直し
(1) 経済社会の構造変化を踏まえた個人所得課税のあり方
  ① 個人所得課税における諸控除の見直し

  ② 記帳水準の向上等

  ③ 国や地方自治体の実施する子育てに係る助成等の非課税措置

  ④ セルフメディケーション税制の見直し

(2) 私的年金等に関する公平な税制のあり方

  ① 教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の見直し

  ② 資産移転の時期の選択に中立的な相続税・贈与税に向けた検討

6.経済のデジタル化への国際課税上の対応

7.円滑・適正な納税のための環境整備
(1) 国際化に対応した適正課税の確保
  ① 納税管理人制度の拡充

  ② 国際的徴収回避行為への対応

(2) 消費税転嫁対策特別措置法の失効に係る対応

(3) 退職所得課税の適正化

8.その他
(1) 東日本大震災からの復興

(2) IRに関する税制

  ① 所得税

  ② 消費税

  ③ 法人税

(3) 屋外分煙施設等の整備の促進

 

長くなってしまい失礼しました。

自滝民左近次と公岡義明が腹を切ってお詫びいたします。

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ともあれ内容を見ると、やはり菅総理が所信表明演説でも語っていた、デジタルと環境に重点を置いていることがわかりますね。

企業の研究開発投資に対しても税金の優遇措置を広げる考えを盛り込んでおり、アカデミックな議論が活発化することに期待しています。

 

私個人としては、消費課税のある記述が気になりました。

令和3年度税制改正の具体的内容

2 租税特別措置等
(国 税)
〔延長・拡充等〕
(1) ビールに係る酒税の税率の特例措置の適用期限を2年延長する。

調べてみると、どうやら平成30年の税制改正に伴う租税特別措置法で特例措置がされており、その期限が来年3月末となっているとのこと。

それを2年間延長しようという主張です。大賛成ですね。

 

対象は酒量年間1万キロリットル以下の製造者に限られるため、大手ではなくクラフトビールなどを生産する小規模な醸造所が参入しやすくなるのかな、という印象です。

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出典:国税庁

elaws.e-gov.go.jp

 

クラフトビールは最近人気を集めており、ヤッホーブルーイングのよなよなエールや水曜日のネコ、またCOEDOビールあたりが有名どころでしょうか。

スーパーやコンビニでも気軽に買えるようになってますね。

 

個人的にはベルギー産の「ベルビュークリーク」や「リンデマンス・フランボワーズ」といったフルーツビールが好みなので、日本でも美味しいチェリービールの醸造が進むことを楽しみにしています。

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出典:beer365

 

異例ずくめだった新ワクチン

記事本文

www.nikkei.com

要約

対コロナワクチンは従来とは別次元のスピードで開発が進んだが、安全性の見極めも大切。

感想

先月、アメリカ製薬大手のファイザーが遺伝子技術を応用して「mRNA(メッセンジャーRNA)」を用いたワクチンを開発し、高い有効性が示されたと発表しました。

▼mRNAの仕組みについてはこちら

platon.hatenablog.jp

 

このmRNAによる手法は、今後新たな感染症が発生した場合でも、ワクチンをすぐに開発できる可能性を秘めています。

実際に接種を開始して効果が認められ、収束に向かえば、人類はまた新たな力を手にしたことになるでしょう。

医学や薬学、分子生物学などの分野がさらに発展していくことを望みます。