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【社説】2020年10月16日:世界経済安定へ十分な新興国支援を/日本が5Gで巻き返すには

世界経済安定へ十分な新興国支援を

記事本文

www.nikkei.com

要約

G20は財政が悪化する途上国への追加支援を決めた。

感想

コロナ禍で世界的に経済が停滞し、国民への給付や企業への補助金等の財政政策により、多くの国で赤字が拡大しています。

そんな中、日本をはじめとしたG20が途上国への追加支援に合意したということで、どのようなことをするのかと合意文書を確認したところ、取り急ぎ途上国が借りているお金の返済期限を今年末から来年6月まで半年間延長するそうです。

さらに来年春の会合でもう半年延長する必要があるか議論するとのことです。

 

G20の財務大臣・中央銀行総裁の声明はこちら↓

https://www.mof.go.jp/international_policy/convention/g20/g20_201014.pdf

 

一方、途上国からは返済の猶予だけでなく、借金自体の減額を求める声も出ています。

借金を帳消しにする政策は日本でもその昔、貧窮する御家人保護の名目から永仁の徳政令(1297年)がとられたこともありました。個人では現代でも「自己破産」という制度がありますね。

 

最近では2020年5月22日、アルゼンチンが同日に支払期限を迎えた5億ドル規模の国際の利払いをせず、6年ぶり9度目のデフォルト(債務不履行)に陥りました。

www.nikkei.com

結局アルゼンチンはその後債権者(借金の返済先)と交渉し、返済猶予や借金の減額を勝ち取っています。

他にもレバノンやエクアドル等の国々もデフォルト状態となっています。

 

アルゼンチンはこれまで幾度もデフォルトを起こしていますが、その分国債利回りは高くハイリスク・ハイリターンな金融商品として、利益を追求する投資家から資金を集めています。

アルゼンチンの大統領も開き直っているのか「借金は払う必要がない」と言って当選していますし、政府が強硬な姿勢である意味普通の枠組みに収まっていないために投資家も「失敗のリスクはあるけれど運が良ければ普通に投資するよりも大きな利益を得られる」と期待してしまうのでしょう。

 

参考に現時点(2020年10月16日)のアメリカの国債利回り(1年物)は0.124%ですが、アルゼンチンの国債利回り(1年物)は53.39%です。

桁が2つも違います。とんでもないですね。

 

デフォルトが発生すると金融市場で混乱が起きますが、かといって減額を軽々しく認めてしまうと「いっぱい借金してもう返せなくなるくらいになれば返さなくてもよくなる」といったモラルハザードを引き起こす危険性もあります。

2008年9月15日に破綻したリーマン・ブラザーズは記憶に新しいですが、この時はサブプライムローンの損失拡大により買収を検討していた投資銀行の体力が奪われていたことや、米政府が公的資金の注入を拒否したこともあり、リーマンは破産しました。

 

政府が資金援助をしなかった理由として、それまで大企業の救済をしてきたことへの世論の反発や、自己責任の価値観があったようです。

「大きすぎてつぶせない」ということを盾にしたモラルハザードによる怠慢経営を許すか、自助努力に任せることで世界恐慌を引き起こしてしまうか、難しい判断が世界の金融当局には求められています。

 

これまでの金融危機の反省点を振り返ったり、逆に危機を回避した際の政策や措置を検証し、来年春の会合では単なる問題の引き延ばしではない解決策を導いてほしいものです。

 

日本が5Gで巻き返すには

記事本文

www.nikkei.com

要約

5G時代に日本は積極的に世界に挑戦してほしい。

感想

今年の夏はコミックマーケットが開催中止になり、「エアコミケ」としてTwitterでハッシュタグをつけてつぶやくなどの動きがありました。

そうした中で面白いと思ったのが、VR空間で同人誌の即売会をする「ComicVket」という取り組みです。

www.comic.v-market.work

こちらはPCやスマホから参加でき、もちろんVR機器を使用したり、自分がアバターのキャラとして他の参加者(アバター)とVR上で交流することも可能です。

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ComicVketの様子

実際にバーチャルユーチューバーが出店している様子を動画で目にしましたが、非常に先進的で、次回は自分も参加して会場を歩き回ってみたいと思いました。

単純にVRのアバターを用いて美少女になりたいという願望もあります

 

なぜこの話題を出したかと言うと、新たな高速通信規格である5Gによって、こうしたVRでのコミュニケーションも発展していくと考えているからです。

歴史を振り返ると、最初は単純な対面での会話しかありませんでしたが、手紙の使用により時差はあるものの空間を超え、電話によって同時性すらも手にし、テレビ電話によって音声のみならず映像によるコミュニケーションも可能となりました。

 

そして今、5Gという道具によって、現実の空間すらも超越してVR空間でのコミュニケーションが一般化していくのではないかと期待しています。

ウィトゲンシュタインは「論理哲学論考」の中で「世界は、成立している事柄の総体である」「論理空間のなかにある事実が世界である」と語っていましたが、これがVR空間、つまり仮想空間上で考えるとどうなるか、そうした新たな哲学の風が5G、そしてVR技術の発展によって吹いていくことも楽しみです。

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ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン