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【社説】2021年1月18日:医療や介護と縁遠く長生きを楽しむには/中国はコロナ調査に協力を

医療や介護と縁遠く長生きを楽しむには

記事本文

www.nikkei.com

要約

健康寿命と平均寿命の差を小さくし、生き生きとした人生を送りたい。

感想

日本が世界有数の長寿国になって久しいですが、高齢化が進むとともに、認知症や介護離職など新たな課題も発生しています。

生きることと死ぬことについて考える時、私はプラトンの「ソクラテスの弁明」や「パイドン」を想起します。

 

「パイドン」はソクラテスの処刑当日、弟子たちと最後の対話をする場面の話です。

悲しむ弟子たちに対し、ソクラテスは「哲学とは知恵を愛して善を追求することであり、肉体を通してではなく魂の純粋な思惟によってのみ達成される。ならば死によって魂が肉体から離れることは哲学者にとって歓迎すべきことだ」という考えを説き、死を恐れない姿勢を貫いています。

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ダヴィッド「ソクラテスの死」

おそらく誰もが一度は考えたことがあるかと思いますが、私は小学生の頃に「死んだら自分がどうなるのか」ということを考えていました。

プラトンの著作を読み、ようやくその問いに対する自分なりの受け止め方を得ることができたように思います。

ここで、印象に残った一節をご紹介します。

プラトン「パイドン」114Eー115A(ステファヌス版)

さて、こういうわけで、われわれは自分自身の魂について上機嫌で安心していなければならない。いやしくも、その生涯において、肉体に関わるさまざまな快楽やそれの装飾品を自分自身にとっては関わりのないものであり、善よりは害を為すものと考えて、これに訣別した者であるからには。そして、学習に関わる快楽に熱中し、魂を異質の飾りによってではなく、魂自身の飾りによって、すなわち、節制、正義、勇気、自由、真理によって飾り、このようにして、運命が呼ぶときにはいつでも旅立つつもりで、ハデスへの旅を待っている者であるかぎりは。

 ▼以前「パイドン」を題材に書いた記事です。

platon.hatenablog.jp

 

またソクラテスの死生観が語られている作品として、上記の「パイドン」や「クリトン」と並ぶ三部作の第一作目、「ソクラテスの弁明」も挙げられます。

ここでソクラテスの処刑が決定されますが、彼は「死が一切の感覚の消失であるならば、ある意味幸福だ。なぜならこれまでの生涯で、夢一つ見ずに熟睡した夜よりも快く過ごした日は数えるくらいしかないだろうから。またもしあの世に魂が移るのであれば、そこで歴史上の偉人たちと語り合い、この上ない幸福を得るだろう」という考えを語ります。

これだけでもこの本に出会えて良かったと感じますが、さらにソクラテスの去り際のセリフはしびれます。

哲学者プラトンの、劇作家としての才能も見えますね。

プラトン「ソクラテスの弁明」最終節

しかしもう去るべき時が来た―――私は死ぬために、諸君は生きながらえるために。もっとも我ら両者のうちのいずれがいっそう良き運命に出逢うか、それは神より外に誰も知る者がない。

 

中国はコロナ調査に協力を

記事本文

www.nikkei.com

要約

中国はWHOに協力し、詳しい事実を明らかにしてほしい。

感想

今月5日、WHOの国際医療チームが調査のため中国へ出発したものの、中国当局が必要な入国許可をまだ出していないことが判明し、WHOのテドロス事務局長は「非常に失望した」と発言しています。

その後の経過を確認すると、今月14日に調査チームが武漢に到着し、2週間リモートで作業した後、2週間現地調査にあたるそうです。

 

ちなみに、チームのメンバーには日本人も含まれています。

(メンバー出身国:オーストラリア、デンマーク、ドイツ、ケニア、日本、オランダ、カタール、ロシア、スーダン、英国、アメリカ合衆国、ベトナム、および中国)

テドロス事務局長発言抜粋(1月5日)

Lastly, over the past 24 hours, members of the international scientific team on COVID-19 virus origins began traveling from their home countries to China.

Today we learned that Chinese officials have not yet finalised the necessary permissions for the team’s arrival in China.

I am very disappointed with this news given that two members had already begun their journeys and others were not able to travel at the last minute.

But I have been in contact with senior Chinese officials and I have once again made clear that the mission is a priority for WHO and the international team.

I have been assured that China is speeding up the internal procedure for the earliest possible deployment.

We are eager to get the mission underway as soon as possible.

過去24時間にわたって、COVID-19ウイルスの起源に関する国際科学チームのメンバーが母国から中国への訪問を開始しました。

今日、私たちは中国当局がチームの入国許可をまだ出していないことを知りました。

2人のメンバーがすでに旅を始めており、他のメンバーは土壇場で訪問できなかったことを考えると、このニュースには非常に失望しています。

しかし、私は中国の高官と連絡を取り合っており、その使命がWHOと国際チームの優先事項であることを改めて明らかにしました。

私は、中国が可能な限り早期の展開のために内部手続きをスピードアップしていると確信しています。

私たちは、できるだけ早くミッションを開始したいと思っています。

テドロス事務局長発言抜粋(1月14日)

13 members of the international mission to study the origins of the virus have arrived in Wuhan today. 

The team members who have arrived in Wuhan will be in quarantine for the next two weeks, and will begin working remotely with counterparts in China. They will then continue their work on the ground for a further two weeks.

ウイルスの起源を研究する国際ミッションの13人のメンバーが本日武漢に到着しました。

武漢に到着したチームメンバーは、今後2週間隔離され、中国のカウンターパートとリモートで作業を開始します。その後、彼らはさらに2週間現地調査を続けます。

スケジュールとしては1月末頃までリモート、その後2週間現地調査ということで、今年のバレンタインあたりに何か良い調査結果が得られることを期待しています。