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【社説】2021年1月16日:元農相の起訴で問われる農政の透明性/今年は核保有国が動く番だ

元農相の起訴で問われる農政の透明性

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www.nikkei.com

要約

農水行政に業者への忖度がなかったか、真相を究明する必要がある。

感想

先月、鶏卵大手のアキタフーズ元代表から当時の農林水産大臣に賄賂が贈られていた疑いで家宅捜査されていた𠮷川議員が、今月15日に在宅起訴されました。

動物衛生の向上を目的とした国際機関であるOIE(World Organisation for Animal Health)の国際指針を議論する際にも、鶏卵業者に有利になるよう賄賂の力が働いたのではないかとの疑惑がかけられています。

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政治家をはじめとする公務員への賄賂の罪については、刑法で規定されています。

条文を読むと、公務員が業者などから要求を聞いてお金を受け取ると5年以下の懲役、特別な取り計らいの依頼(請託)を承諾して受け取ると7年以下の懲役となることがわかります。

またお金を受け取って実際に不正な行為をした場合(あるいはすべき行為を不当にしなかった場合)罪が重くなり、1年以上の有期懲役が科せられます。

刑法(明治四十年法律第四十五号)

第二十五章 汚職の罪

(収賄、受託収賄及び事前収賄)
第百九十七条 公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。この場合において、請託を受けたときは、七年以下の懲役に処する。
2 (略)
(第三者供賄)
第百九十七条の二 (略)
(加重収賄及び事後収賄)
第百九十七条の三 公務員が前二条の罪を犯し、よって不正な行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、一年以上の有期懲役に処する。

元農相は現金を受け取ったことは認めたものの、賄賂であることは否定しているそうです。

お金のやり取りは密室で行われたでしょうから、録音などしていない限り請託の罪を問うのは難しそうな気がします。

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こうした賄賂で汚職が行われないように、大臣や国会議員は給料が高く設定されているものと思いますが、不正はなかなか無くならないのが現状です(東京地検特捜部によれば、𠮷川元農相が受け取った賄賂は1年弱で計500万円とのこと)。

国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律(昭和二十二年法律第八十号)

第一条 各議院の議長は二百十七万円を、副議長は百五十八万四千円を、議員は百二十九万四千円を、それぞれ歳費月額として受ける。

特別職の職員の給与に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十二号)

第三条 内閣総理大臣等の俸給月額は、内閣総理大臣等のうち大使、公使及び秘書官以外の者については別表第一に、大使及び公使については別表第二に、秘書官については別表第三による。

別表第一(第三条関係)
官職名
俸給月額
内閣総理大臣
二、〇一〇、〇〇〇円
国務大臣
会計検査院長
人事院総裁
一、四六六、〇〇〇円

政治と金の問題を無くすために国会議員や公務員の給料を高くするという案もあるかもしれませんが、 毎年赤字国債を発行している日本でそれをするのは国民が許さないでしょう。

公務員の給料は民間企業を参照して設定されるため、日本全体の実質賃金が上昇して公務員の給料も上がり、賄賂をもらわずとも何不自由ない暮らしができるような社会になることが理想的でしょうか。

もしくは汚職や不正が悪いと理解し、そうした行為を自らが許さないという心構えがあれば良いのですが、なかなか上手くはいきません。

 

自分も正しくありたいと考えてはいるものの、近所のスーパーで卵を買う時、いつも安いアキタフーズの卵を購入してしまいます。

卵に罪は無いですが、しばらくは別のちょっと高い卵を買って、汚職の撲滅に向けた草の根運動をしていこうと思います。

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ぴよぴよ。ぼくたち わるいヒヨコじゃないよ。

今年は核保有国が動く番だ

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www.nikkei.com

要約

核軍縮に向け、保有国が具体的な行動をとるべきだ。

感想

今年の2月、アメリカとロシアの核軍縮条約であるNew STARTが期限切れを迎えます。

交渉がまとまれば5年間の延長が可能であり、両国の話し合いの行方に注目が集まります。

www.state.gov

また今月22日には核兵器禁止条約(TPNW)も発効するため、核開発や保有、威嚇も禁止するという非常に強い国際条約が効力を持ち始めます。

日本はアメリカの「核の傘」に頼っているため、核保有国同様この条約には批准しておりません。

ちなみに、この核兵器禁止条約を主導したキャンペーンは2017年にノーベル平和賞を受賞しています。

www.nobelprize.org

1月に条約の発効、2月に米国とロシアの交渉がまとまって軍縮ムードが世界に広がり、「核の傘」に依存しない安全保障の仕組みを構築する一年になることを望んでいます。