息の長い地方分散に取り組もう
記事本文
要約
東京圏の過密を緩和し、地方の自然や文化の活性化に努めたい。
感想
コロナ禍でテレワークや在宅勤務が広がったこともあり、業務内容によってはネット環境さえあればどこでも働けるような時代になりつつあると感じます。
「プログラミングスキルをつけて南の島で仕事をする」といったことも、今後は様々な職種で可能になるかもしれません。
職場に縛られなくなる人が増えれば、地方分散も進んでいくでしょう。
人口の過密問題は以前から懸念されてきた問題であり、その解決策として地方移住を進めようとする取り組みはこれまでもなされてきました。
しかし、まだまだ一般的ではないのが現状です。
下の図は国立社会保障・人口問題研究所が2016年に作成した人口移動の流れです。
東京や周辺3県は人口の流入が多く、愛知や大阪・兵庫に移動する人も多くなっていることがわかります。
東京は人口が多いため流出の線(左側)も太くなっていますが、その多くの行先は周辺の3県であり、首都圏の過密状態は是正されていないと言えるでしょう。
人から人へ伝染する感染症は、都市部のような混雑しやすい場所で急速に広がっていきます。
効率性のためにこれまでは人やモノ、設備の集約化・大規模化が進められてきましたが、コロナ禍でパラダイムシフトが起こり、分散化・小規模化が進展していく可能性が高いのではないかと考えています。
一昔前に地方の過疎化対策として、人口集約を進める「コンパクトシティ」という概念が流行りましたが、これからの時代は分散(distribute)をテーマにした「ディストリビュートシティ」のような考え方が、国土政策に現れてくるかもしれませんね。