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【社説】2020年12月27日:英国とEUの真価がこれから問われる/農政の信頼損なう収賄容疑

英国とEUの真価がこれから問われる

記事本文

www.nikkei.com

要約

英国のEU離脱交渉がまとまったが、これからどのような戦略をとるかが注目だ。

感想

2016年の国民投票でイギリスはEUからの離脱を決定し、今年1月には離脱しました。
なお2020年末までは移行の影響を抑えるために、離脱前とほぼ同じ扱いを受けることとなっています。

 

今年中に折り合いをつけなければいけないというぎりぎりの交渉でしたが、イギリスのジョンソン首相とEUのフォンデアライエン委員長はなんとか合意にこぎつけました。

日本も外務省が中心となり、「英国のEU離脱に関する政府タスクフォース」で日系企業への影響等を議論していたようです。

www.mofa.go.jp

また、イギリスと日本はすでに日英包括的経済連携協定(EPA)も結んでおり、効力は日EU・EPAと同様の貿易協定となっており、影響を最小限に抑えました。

www.mofa.go.jp

 

聞くところによるとTPPへの参加もイギリスは検討しているようで、自由貿易の範囲が広がることに期待ですね。
イギリスは太平洋に面していないので、もはや「環太平洋」の枠を超えてしまいますが。

 

プレートテクトニクス的には日本やアメリカ、東南アジアなど「環太平洋造山帯」に属する国々の貿易協定ということでTPP(Trans-Pacific Partnership)という名前が付けられていましたが、イギリスが入る場合はどうなるのでしょうか。

ヨーロッパ大陸を流れるアルプス・ヒマラヤ造山帯にもイギリスは属していませんし・・・と思って調べてみたところ、どうやらイギリスには太平洋上にも領土があるそうです。

その名も「ピトケアン諸島(Pitcairn Islands)」という島国です。

www.government.pn

 

公式HPの説明によると、ピトケアン、ヘンダーソン、デューシー、オエノの4つの島で構成されているようです。

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オエノ島(出典:ピトケアン諸島HP)

4つの島からなると言えば、「蒼穹のファフナー」の舞台と同じですね。

居住区である竜宮島のほか、向島、剛瑠島、慶樹島の3つの島があるように、ピトケアン諸島も居住区であるピトケアン島のほか3島という構成になっています。

もしかすると、この太平洋上の島の下にも、巨大な潜水艦があるのかもしれませんね。

TPPにイギリスが参加することになったら、一度訪れてみたいものです。

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出典:XEBEC FAFNER EXODUS PROJECT

 

農政の信頼損なう収賄容疑

記事本文

www.nikkei.com

要約

農水大臣への賄賂による行政の意思決定プロセスへの介入疑惑を晴らす必要がある。

感想

安倍政権で農水大臣を務めた吉川氏や西川氏に対し、鶏卵業者から賄賂が贈られた疑いが出ています。
世界の動物衛生の向上を目的とした政府間機関であるOIEの国際指針を議論する際にも、不正な力が働いたのではないかとみられています。

第87回国際獣疫事務局(OIE)総会概要(2019年5月)

(4) 陸生動物コード委員会からの報告
コード改正案は、ほぼ原案のとおり採択。
① 第 7.Z 章(アニマルウェルフェアと採卵鶏生産システム)※採択対象外
多くの相反するコメントが出されたため、アドホックグループによる検討を求め、本年9月のコード委員会において議論できるよう一定の妥協点を見出したいとの説明。
日本から、OIEコードのアニマルウェルフェア章は、気候、地理的な状況、文化、社会的要因等に応じて世界中で発展を遂げてきた多様な生産システムを考慮し、柔軟性が確保されたものであるべきであり、十分な議論を行うよう要請
米国(アメリカ地域31か国を代表)から、第1次案(2017年9月提示)では、多様な生産システムが認められる包括的な内容となっていたが、第2次案(2018 年9月提示)では、広く普及しているケージ飼養を除外する内容が提案されており、支持できないことから、第1次案に戻すべき旨要請。
コロンビア、インド及びジンバブエも、現状の飼養状況を踏まえた案となっていないことへの懸念を表明。 

その後の議論を経て意見を取り入れてもらえたということで、今年7月に提出したコメントではこれ以上の修正意見の提出はしませんよ、と伝えこの論争は終結しているようです。

2020年2月陸生動物衛生基準委員会会合報告に対する日本のコメント

我々は、以下の章に対するコメントを提出しますが、「第7.Z 章 アニマルウェルフェアと採卵鶏システム」の4次案は、多様な飼養システムが認められる内容となっていることから、修正意見は提出しません

もしもこの日本などの意見による国際協定の方向性が賄賂で歪められていたのであれば、信頼を揺るがす事態になりかねません。

が、海外の国々からも反対意見が出ていることから、世界中にロビー活動を行ったとは考えづらい面もあると思います。

 

他にも賄賂による圧力の疑いとして、「鶏卵生産者経営安定対策事業」の予算の拡充がされていたという話も聞きます。

これは米の減反政策のようなもので、供給が多くなりすぎて価格の暴落を避けるために、卵の生産を緩めた事業者に補助金を出すという政策です。

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出典:農林水産省

需給バランスをとって生産者の収入安定を図るのは大切な政策であるため、賄賂による介入疑いで補助金が止まってしまうようなことは避けなければなりません。

来月からの通常国会、あるいは質問主意書で政策決定プロセスを明らかにし、そこに不正が入り込んでいないことを証明する必要がありそうですね。