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【社説】2020年12月25日:欧州は巨大IT規制で公平な運用を/将来性高いゲノム編集食品

欧州は巨大IT規制で公平な運用を

記事本文

www.nikkei.com

要約

世界に広がる可能性のあるEUの巨大IT規制が公正なものになるよう注視が必要だ。

感想

EU(ヨーロッパ連合)は今月16日、新たなサイバーセキュリティ戦略を打ち出しました。

内容としては、デジタル技術が無くてはならないものになりつつある中、サイバー犯罪などで人権や基本的自由が脅かされないようにするという趣旨で規制がかけられることになる見込みです。

What kind of obligations would it place on Member States?

Member States would need to adopt a strategy for ensuring the resilience of critical entities, carry out an all-hazards risk assessment, designate competent authority/authorities and a national point of contact. On the basis of the risk assessment, each Member State would have to identify critical entities in different sectors. There are also provisions for better European cooperation.

加盟国にはどのような義務が課せられますか?

加盟国は、重要な事業者の回復力を確保するための戦略を採用し、すべての危険性のリスク評価を実施し、管轄当局/当局および国内の連絡窓口を指定する必要があります。リスク評価に基づいて、各加盟国は異なるセクタの重要な事業者を特定する必要があります。より良いヨーロッパの協力のための規定もあります。

What kind of obligations would it place on entities?

In addition to the national risk assessment conducted by national authorities, critical entities would be required to carry out a risk assessment of their own. This entity-level assessment would need to account for both the outcomes of the national-level risk assessment and local conditions and specificities. On this basis, they would need to take technical and organisation measures to enhance their resilience. They would also need to provide information regarding incidents and potential incidents to competent authorities.

事業者にはどのような義務が課せられますか?

各国当局が実施する国内リスク評価に加えて、重要な事業者は独自のリスク評価を実施する必要があります。この事業者レベルの評価では、国レベルのリスク評価の結果と地域の状況および特異性の両方を説明する必要があります。これに基づいて、彼らは回復力を強化するために技術的および組織的な対策を講じる必要があります。また、インシデントおよび潜在的なインシデントに関する情報を管轄当局に提供する必要があります。

ec.europa.eu

 

アメリカの司法省がGoogleを訴えたり、連邦取引委員会がFacebookを訴えるなど、今年は巨大IT企業に対する行政の目が厳しくなった年でした。

platon.hatenablog.jp

 

最近は人と人との接触を防ぐために様々なものがオンライン化しています。

ワクチンがよっぽど劇的な効果を示さない限りは、来年以降もこうした流れは続いていくでしょう。


事業者だけでなく、利用する我々一人ひとりがサイバーセキュリティについて意識していきたいですね。

 

将来性高いゲノム編集食品

記事本文

www.nikkei.com

要約

ゲノム編集技術の安全な開発と誤解を防ぐよう、透明性を高めていきたい。

感想

DNAの一部を改変するゲノム編集技術を利用し、アミノ酸の一種であるGABAの濃度を高めたトマトがベンチャー企業によって開発され、厚労省・農水省に今月届け出がされています。

GABAは血圧を下げる効果やストレス軽減効果があるとされており、私もGABA入りのチョコレートをコンビニで目にしたことがあります。

 

まだ一般販売されていませんが、無料の苗栽培モニターが始まっているので、家庭菜園に興味がある方は応募してみてはいかがでしょうか。

p-e-s.co.jp

なおうちのベランダは洗濯物を干したら埋まってしまうので、残念ながら参加できません。

 

このトマトは、「遺伝子はさみ」と呼ばれるクリスパー・キャス・ナイン(CRISPR/Cas9)というゲノム編集技術によって品種改良がされています。

トマトのDNAに元々含まれているGABA自己抑制ドメインを切り離すことで、リミッターを外されたトマトはGABA成分を多く含むようになります。

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全部のリミッター外したまま栽培されたんだ・・・ごめんね、あたしじゃGABA含有量少なくて

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出典:サナテックシード株式会社

sanatech-seed.com

 

ちなみに遺伝子のはさみは2012年に発見され、今年のノーベル化学賞を受賞しています。

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出典:Johan Jarnestad/スウェーデン王立科学アカデミー

www.nobelprize.org

 

ファイザーが開発したコロナワクチンも、mRNA(メッセンジャーRNA)と呼ばれるゲノム関連の技術を用いていました。

platon.hatenablog.jp

 

「遺伝子組み換え」と聞くと恐ろしいことのように感じてしまう人も多いと思います。

 

事業者の丁寧な説明や、消費者の安全性を第一にした行政によるルールづくりはもちろん不可欠ですが、私たち一人ひとりがゲノム編集技術をはじめとする分子生物学などの知識をつけ、バイオリテラシーとでも呼ぶべき能力を身につけていきたいものですね。