中国輸出管理法の域外適用を懸念する
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要約
中国の輸出管理法が域外国にも適用されないか心配だ。
感想
中国の長期計画を決定する10月末の中央委員会全体会議については、以前にも記事にしましたね。
同月の全人代常務委員会において、主に中国製品の輸出を規制する輸出管理法が制定され、今月頭から施行されました。
この法律はアメリカに対する対抗措置としての色合いが強いものの、米国のみならず欧州や日本といった、中国と貿易をする諸外国も影響を受けることになりそうです。
同法には中国国外にも範囲を及ぼすように読める条文もあり、日米欧などは懸念を示しています。
中华人民共和国出口管制法
第四十四条 中华人民共和国境外的组织和个人,违反本法有关出口管制管理规定,危害中华人民共和国国家安全和利益,妨碍履行防扩散等国际义务的,依法处理并追究其法律责任。
(仮訳)この法律に関連する輸出管理規則に違反し、中華人民共和国の国家の安全と利益を危険にさらし、不拡散などの国際的義務の履行を妨げる国外の組織および個人は、法律に従って取り扱われ、責任を問われるものとする。
また中国から材料を輸入して日本で加工し、アメリカに輸出するといった「再輸出」についても附則に規定があり、規制の対象にされるのではないかと心配されています。
第四十五条 管制物项的过境、转运、通运、再出口或者从保税区、出口加工区等海关特殊监管区域和出口监管仓库、保税物流中心等保税监管场所向境外出口,依照本法的有关规定执行。
(仮訳)管理品目の輸送や再輸出、または保税区域からの輸出、輸出加工区域およびその他の特別税関監督区域、ならびに輸出監視倉庫、保税ロジスティクスセンターおよびその他の保税監視場所からの海外への輸出は、本法の関連規定に従って実施されるものとする。
対米措置としては最後の方のこの条文が根拠になっていくのではないかと思います。
日本も、下手にアメリカに同調して経済制裁などした場合、報復を食らいそうですね。
第四十八条 任何国家或者地区滥用出口管制措施危害中华人民共和国国家安全和利益的,中华人民共和国可以根据实际情况对该国家或者地区对等采取措施。
(仮訳)国または地域が中華人民共和国の国家の安全および利益を危険にさらすために輸出管理措置を乱用する場合、中華人民共和国は実際の状況に基づいてその国または地域に対して相互措置を講じることができる。
なお、強い経済力を盾に海外への影響力を強めようとしているように読み取れる条文も多いものの、冒頭の一般規定では軍事品の海外への流出を取り締まり、国際社会での責務を果たしていくといった理念も語られており、一方的に悪い法であると決めつけるのも不適当だろうとは思いました。
ちなみに法律の解説としては、こちらのサイトがわかりやすかったです。(もちろん中国語なのでGoogle翻訳に頼りましたが)
経済学においてはやられたらやり返すという「しっぺ返し戦略」が有利とされ、外交の場でもこの手法はしばしば採用されています。
ですが、そうしたやり方はお互いや周囲を傷つけることにつながりかねません。
ここはいっそ、何かしてもらったら何かしてあげる「恩返し戦略」を世界のリーダーたちが用いることで、国際協調が成立するような動きが起こらないだろうか、と思惟します。
コンビニ、再成長は可能か
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要約
コンビニ各店舗に対する本部からの圧力に行政がメスを入れた。これがコンビニの再起につながることを望む。
感想
独占禁止法を所管する公正取引委員会は今年9月、コンビニ大手各社に対し、仕入れ数量の強制や24時間営業をやめさせないよう本部から加盟店に働きかけるのは問題であるとし、改善を求めました。
これを受けてコンビニ各社は11月30日、自主点検と改善内容を示しています。
コロナの影響でリモートワークや家で調理をする人が増えたことで、多忙な人向けのコンビニは経営が圧迫されています。
消費者の健康志向も、「コンビニ弁当は体に悪そう」という不安を増幅させることにつながり需要を押し下げているでしょう。
私も、以前よりコンビニで買い物をする機会が減ったなと感じます。
というよりむしろ、これまでは「コンビニしか選択肢がない」という状況に置かれることが多かったせいもあると思います。
コンビニは便利である反面、時間にゆとりが生まれるとあまり足が向かなくなるのかもしれませんね。
いっそのこと、コンビニの商品棚を一部縮小して「テレワーク用スペース」を設けるのはいかがでしょうか。
イートインスペースのような設備に電源タップ、またコーヒーなどのドリンクスタンド(月5000円定額や、日500円定額で飲み放題など)があれば、利用者は少なくないと思います。
頭を使えば脳も栄養を欲しますから、オフィスグリコのような感覚でおやつや軽食を購入する人も増え、回転数が減少する分の客単価もぼちぼち取り戻せるのではないだろうか、と思います。
私もそうですが、自宅以外の環境の方が集中できる人の場合、コンビニが作業空間として利用できるようになれば、さらに働き方改革が進んでいくと期待しています。