大胆かつ柔軟な地銀再生の道筋を描け
記事本文
要約
地域を支え貢献する地銀が金融インフラとしての役割を担い続けられるような制度を望む。
感想
今月27日から、地銀が合併しても独占禁止法違反にならない特例法が施行されたことで、今後地銀の統合が進むのではないかとの見方がされています。
以前にも、地銀について記事を書きました。
この特例法、法律名を調べてみると「地域における一般乗合旅客自動車運送事業及び銀行業に係る基盤的なサービスの提供の維持を図るための私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の特例に関する法律」 という、なんとも長い、特例法らしい名前でした。
「銀行業はわかるけど、一般乗合旅客自動車運送業って?」と思った方もいるでしょう。
実はこの法律、地銀だけではなく、国交省も文字通り相乗りしているのです。
法律の内容については、国交省の法案説明資料がわかりやすくまとまっていました。
人口減少などにより、地銀のみならず経営が厳しくなっている乗合バス(路線バス)やコミュニティバスなども、今般から独禁法違反にならずに合併できるようになりました。
こうしたバスは地域の足となっている場合も多く、特に高齢者にとっては日々の買い物などの日常生活になくてはならないインフラでしょう。
交通事故を減らすために自動車運転免許の自主返納を促す観点からも、こうした公共交通機関は維持していくべきであると考えます。
この法律の第一条にも法の目的が書いてあり、地域住民のためになるよう運用されることが求められています。
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、地域において、人口の減少等により地域一般乗合旅客自動車運送事業者及び地域銀行(以下「特定地域基盤企業」と総称する。)が持続的にサービスを提供することが困難な状況にある一方で、当該サービスが国民生活及び経済活動の基盤となるものであって、他の事業者による代替が困難な状況にあることに鑑み、特定地域基盤企業の合併その他の行為について私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号。以下「私的独占禁止法」という。)の特例を定め、特定地域基盤企業の経営力の強化、生産性の向上等を通じて、将来にわたって当該サービスの提供の維持を図ることにより、地域経済の活性化及び地域住民の生活の向上を図り、もって一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の健全な発展に資することを目的とする。
公正取引委員会をよく説得したなあ、と思って周辺人事を見ていると、面白そうな情報を見つけました。
今年9月、公正取引委員会の委員長が定年退職し、新たに古谷一之氏という方が委員長になっています。
この古谷氏、最近まで内閣官房副長官補という役職についており、2013年4月から7年以上にわたって令和改元など官邸・内閣官房を中心に実務を担ってきました。
翻って、法案をとりまとめた事務局を確認してみると
内閣官房 日本経済再生総合事務局 私的独占禁止法特例法案準備室
なんだこれは・・・。たまげたなあ
点と点が線でつながりましたね。
つまり、古谷氏は内閣官房のトップに近い存在として公取委に掛け合う際、「この法律を運用するのは私がやりますから、任せてください(だからさっさと通してホラホラ)」と言って法案を成立させたのではないでしょうか。
ちなみに、公取の委員長は財務省出身者が就くことが多く、古谷氏も、その前の杉本氏も財務省出身です。
そうした先輩後輩のよしみもあったのかもしれませんね。
何はともあれ、地域インフラとして、銀行やバスが住民のためになることを祈ります。
日中韓首脳会談開催へ努力を
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要約
地域安定のためにも、こじれた日韓関係を根本から直し、日中韓で連携すべきだ。
感想
今月、中国の外務大臣である王毅(おう・き)国務委員兼外交部長が日本や韓国を訪れました。
日本に来た際の様子は先日も記事にしましたね。
韓国と中国の会談後には、両者とも日中韓3か国会談の開催に向け前向きに協力していく姿勢を示しています。
韓中外相会談の抜粋(韓国外交部より引用、翻訳)
또한, 양측은 코로나19 및 유동적인 지역‧국제정세의 변화 속에서 한중일 3국 간 협력이 더욱 긴요함을 재확인하고, 한중일 정상회의의 조속한 개최를 위해 지속 협력해 나가기로 하였다.
また、双方は、コロナ19と流動的な地域‧国際情勢の変化の中で、日中韓の3カ国間の協力がさらに重大であることを再確認し、日中韓首脳会議の早期開催のために持続協力していくことにした。
中韓外相会談で合意した10の事項の抜粋(中国外交部より引用、翻訳)
中方支持韩方举办第九次中日韩领导人会议。双方将同日方一道,积极推进中日韩自贸协定谈判进程。
中国は、韓国側が第9回日中韓首脳会議を主催することを支持しています。 双方は日本と協力して、日中韓国自由貿易協定の交渉プロセスを積極的に推進します。
日中韓の3か国の協力は北朝鮮情勢を安定させるのみならず、アジアの存在感を高めるためにも重要でしょう。
これまで、3か国による首脳会談は2008年から8回開催されてきました。
〇3か国首脳会談の開催実績
第1回:日本・福岡(2008年12月13日)
第2回:中国・北京(2009年10月10日)
第3回:韓国・済州(2010年5月29~30日)
第4回:日本・東京(2011年5月22日)
第5回:中国・北京(2012年5月13日)
第6回:韓国・ソウル(2015年11月1日)
第7回:日本・東京(2018年5月9日)
第8回:中国・成都(2019年12月24日)
次回は、順番通りなら韓国で開催されることになりそうですね。
(だからこそ、関係がこじれている現状において、日本側が韓国に呼びつけられていると思い抵抗する人もいるのではないかと思われます)
ちなみにスポーツとしても、2018年冬季五輪が韓国平昌、2020五輪が東京、2022年冬季五輪が中国北京で開催予定と、3回連続で日中韓が開催都市となっています。
今一度平和の祭典としてのオリンピック・パラリンピックの意義を問い直す意味でも、3か国の連携は重要です。
ここはオリンピックの始まり、古代ギリシアのオリンピアに思いを馳せてみてはどうでしょうか。
ギリシアではオリンピアの祭典のためには戦争状態であっても休戦していたそうですから、現代でも「聖なる休戦」としてお互い手を取り合い、国際協調のきっかけにしてほしいものです。
ここで、オリンピアの写真を1枚。
失礼しました。こちらは筋肉の祭典、ミスターオリンピア2019で優勝したブランドン・カリー(Brandon Curry)のフロント・ダブル・バイセップス(Front double biceps)の写真でした。
ちなみに、ミスターオリンピアは例年9月開催ですが、コロナ禍で延期となっており、2020年大会は12月に実施されるそうです。
出場予定者を見ると、William BonacやPhil Heath、Dexter Jacksonなど、名だたるボディビルダーたちが名を連ねています。
日本からも、山岸秀匡選手が出場に向けて準備を行っています。
私はビッグヒデはもちろんですが、Roelly Winklaarがイチオシです。
上記画像のような彼のモストマスキュラー(Most muscular)は、動画で一見の価値アリです。
素敵な笑顔と筋肉を、私も見習っていきたいです。