platonのブログ

思考の整理とアウトプット、たまにグラブル

【社説】2020年11月24日:国際協調の立て直しへ今こそ行動を/利点は多いジョブ型採用

国際協調の立て直しへ今こそ行動を

記事本文

www.nikkei.com

要約

多国間の枠組みによる国際協調へと振り子を戻していくべきだ。

感想

先日オンラインでAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議が開催されたのに引き続き、G20首脳会議もオンラインで開かれました。

▼APECオンライン会議の様子はこちら

platon.hatenablog.jp

菅総理はAPECの時と同じ部屋、同じモニターでG20首脳会議に出席したようですね。

サウジアラビアのリヤドが主催のため、リヤド・サミットと名づけられています。

f:id:Platon:20201122233300j:plain

出典:官邸HP

www.mofa.go.jp

 

ここ数年はナショナリズムの台頭による国家間対立の先鋭化や、過剰な自国ファースト主義、自由貿易から保護貿易への転換などが起こっていました。

米大統領選を機に、多国間による国際協調の枠組みへと回帰していくことが望まれます。

 

その際、ただ単に元通りにしては人々の不満や分断は解決されず、またいつか同様の事態が起きる恐れがあります。

近年の自国中心主義を検証し、どのような国際協調の形であれば対立を最小限に抑えることができるのか、世界中の人々が自分のこととして考えていくことが必要でしょう。

人気とりのための政策は、真に良い政策とは言えません。

 

昨日読んだプラトンの「ゴルギアス」にも、面白いことが書いてありました。

・・・いまぼくたちが論じ合っている事柄というのは、ほんの少しでも分別のある人間なら、誰であろうと、そのこと以上にもっと真剣になれることが、ほかにいったい何があろうか、といってもよいほどの事柄なのだからね。

その事柄とはつまり、人生いかに生くべきか、ということなのだ。

すなわち、君がぼくに勧めているような、それこそ立派な大の男のすることだという、弁論術を修めて民衆の前で話をするとか、また、君たちが現在やっているような仕方で政治活動をするとかして、そういうふうにして生きるべきか、それとも、このぼくが行なっているような、知恵を愛し求める哲学の中での生活を送るべきか、そのどちらにすべきであるかということであり、そしてまた、後者の生活法は前者のそれと比べて、いったい、どこにその優劣はあるのか、ということなのだ。

ここでソクラテスが語っている「政治活動」とは、弁論の力で政策を決定したり、立法や司法の場を支配することであり、彼はそれらを「大衆に迎合するやり方」であると痛烈に批判しています。

f:id:Platon:20201124111547j:plain

レオニダス・ドロシス「ソクラテス像」

私たち一人ひとりが知恵を愛し求める哲学の中で生活を行い、またそうした人が上に立ち、他の人々の「快」ではなく「善」を追求していく、そんな世界を実現できたら、自分の人生の目標は達成できたと言えるでしょう。

 

とりあえず今はまだまだ未熟なので、知識や経験、思索を深めて善い人間になるよう努めていきたいと思います。

ソクラテスですら「ぼくたちは共に、そのようにして徳を修めたなら、そのときになってはじめて、もしそうすべきだと思われるなら、政治の仕事にたずさわることにしよう」と語っているくらいですから。

 

利点は多いジョブ型採用

記事本文

www.nikkei.com

要約

在学中に専門性を高めてジョブ型採用を進めてみてはどうか。

感想

厚生労働省と文部科学省によると、10月1日時点での今年度末卒業(2021卒)の大学生就職内定率は69.8%となり、昨年から7ポイント減少しています。

f:id:Platon:20201124113735p:plain

出典:厚生労働省

今年は就職活動も動きにくかったでしょうし、景気悪化の影響も大きいでしょう。

年末年始を乗り越えて、何とか来年4月には満足いく就活結果を手にしてほしいものです。

 

こうした就職状況を受け、ジョブ型採用を取り入れるべきとの声も上がっています。

ジョブ型採用を簡単に説明すると、企業が求める職務を明確にし、その仕事ができる人を募集し、雇用契約を結ぶという流れです。

f:id:Platon:20201124121538p:plain

こうして即戦力を求めることでおのずと大学でも専門教育を学生が受けるようになり、人材の質が向上するということが利点として挙げられますが、個人的には懸念もあります。

専門性を高め、企業で役立つ能力を身につけるという目的が先行しすぎることで、すぐには成果が出ない基礎研究や学問領域(それこそ、哲学とか)の専攻を学生が避けてしまうのではないかという恐れです。

 

ジョブ型採用を進めるのであれば、社会人になってからでも学び、新しい仕事に挑戦できるようなリカレント教育などの環境整備も同時に進めていく必要があるでしょう。

f:id:Platon:20201124121100p:plain

また哲学自体も、それを学んでおくこと自体は生きる上で非常に大きな助けになってくれますし、他の学問も同様だと思うので、専門性を高めるために注力して他をなおざりにする「I型」になるのではなく、「T型」や「π型」のように、様々なことを探究していきたいですね。