【社説】2020年11月11日:3次補正をいたずらに膨らませるな/教訓生かし感染急増を防げ
3次補正をいたずらに膨らませるな
記事本文
要約
追加の経済対策を金額ありきで膨らませてはならない。
感想
政府はこれまで、様々なかたちで経済対策を打ち出しています。
最近の経済対策と関連する予算を列挙すると、以下の通りです。
〇「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」(2019年12月5日閣議決定)
→関連予算【2019年度補正予算(2020年1月30日成立)、2020年度(当初予算)臨時・特別の措置(2020年3月27日成立)】
〇「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(2020年4月20日閣議決定)
→関連予算【2020年度第1次補正予算(2020年4月30日成立)】
〇2020年度第2次補正予算(2020年6月12日成立)
なお「2019年度予算の余っている予備費をコロナ対策に使いましょう」という方針も、今年初頭に2つ打ち出されています。
〇「新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策」の第1弾(2020年2月13日新型コロナウイルス感染症対策本部決定)
〇「新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策」の第2弾(2020年3月10日新型コロナウイルス感染症対策本部決定)
このように様々な経済対策を政府はすでに講じており、それに伴い予算規模も拡大しています。
一方で景気の回復は鈍く、上向きつつあるものの以前の記事でGDPデータを見たように、コロナ禍以前の水準には戻っていません。
経済成長への回帰に向け、菅総理は11月10日に追加の経済対策を指示しました。
おそらくその根拠となったのは、前日11月9日に開かれた経済財政諮問会議で提出された、民間議員からの提言だと思います。
上のページを見ると有識者議員個人からも資料が提出されていますが、優先順位が高い=政策に直接つながる可能性が高いのは四人の民間議員が連名で提出している文書です。
資料3-1の「持続的な経済成長への回帰に向けて」で具体的な方針が提言されており、経済対策を促している箇所は以下の通りです。
持続的な経済成長への回帰に向けて(2020年11月9日)(抄)
(政策の総動員と対策効果の継続)
政策パッケージを年末までに策定し、十分な対策効果を発揮できるだけの規模感をもった補正予算と来年度当初予算一体での財政運営を実行すべき。
これに基づいた菅総理の追加経済対策策定の指示が出たことを受け、与党は今後5年間で15兆円規模の予算を国土強靭化に充てるよう求めるそうです。
景気対策という言葉は聞こえがいいですが、とにかくお金を使おうという考え方では手段と目的を取り違えてしまいかねません。
確かに台風や豪雨、地震といった自然災害への対策は大切ですが、きちんと根拠やデータを踏まえ、どこにお金を使うべきなのか熟考する必要があるでしょう。
以前ほど激しく議論されておりませんが、日本の財政は歳出と歳入がワニの口のように開いており、今年度の度重なる経済対策でさらに口が広がる見込みです。

財政のワニも口を開けっぱなしではウイルスに感染してしまうかもしれません。
予防のためにも、そして財政健全化のためにも、口を閉じてマスクをつけてもらった方が良いでしょう。

教訓生かし感染急増を防げ
記事本文
要約
感染が再び拡大しつつあるなか、これまでの知見を活用すべきだ。
感想
コロナウイルスの感染者数が再び増加しつつあるなかで、政府は11月9日に感染症対策分科会を開催し、「緊急提言 最近の感染状況を踏まえた、より一層の対策強化について」を発出しました。
さらに翌11月10日には、官邸で対策本部も開催されており、上記提言も踏まえ菅総理は以下のように発言しています。
新型コロナウイルスの感染状況については、新規陽性者数が1000人を超える日も度々あり、最大限の警戒感を持って対処する必要があります。(略)
最近の感染状況を踏まえ、~感染を速やかに減少方向に向かわせる必要があるとの緊急提言を、新型コロナ分科会からいただきました。
この御提言も踏まえ、政府としては、~今までよりも踏み込んだクラスター対応を実施します。(略)
各大臣におかれては、この冬に備え、これまでの感染拡大への対応で得られた科学的な知見をいかしつつ、引き続き、感染拡大の防止と社会経済活動の両立に向け、これらの対策に全力で当たっていただきたいと思います。
なお、政府のコロナ対策については以下のページに動画などわかりやすくまとまっています。
個人的には、人の流れがどれくらいコロナ以前と比べて減少しているのかというデータが面白いと思いました。
秋もそろそろ終わりに近づき、北国では雪も降り始めています。

冬が訪れると、気温が下がることで換気の時間が減少し、感染がさらに拡大する恐れがあります。
振り返ると、新型コロナウイルス感染症対策本部が初めて開催されたのは今年の1月30日であり、その時の国内感染者数は9人でした。
ここから年末年始にかけてはいわば未知の領域になるため、普段のインフルエンザ対策以上に衛生管理や予防を意識して生活する必要があるでしょう。
Go Toで国内の人の往来が増えたり、海外からの入国受け入れ緩和も始まっていますが、気を緩めすぎることなく、かといって過度に自制しすぎるのも経済には良くありません。
まずは、年末年始の(参加したくない)職場の忘年会や新年会を中止、またはオンライン開催することから始めてみてはいかがでしょうか。

最近は飲食店の営業再開やテラス席設置緩和により、Zoom飲みをあまりしなくなっているのではないかと思います。
「この冬は、オンラインで年越し」なんてのも、新鮮でまた違った趣があるでしょう。
