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【社説】2020年10月22日:ASEAN訪問をアジア安定につなげよ/父も気兼ねなく育休取るには

ASEAN訪問をアジア安定につなげよ

記事本文

www.nikkei.com

要約

首相がベトナムとインドネシアに訪問したのをきっかけに、日本はアジア安定の旗振り役になるべきだ。

感想

菅首相は今月、就任後初の外遊としてベトナムとインドネシアを訪問しました。

コロナ禍からの回復に向けた連携をはじめ、日本が推進する自由で開かれたインド太平洋戦略の実現に向けASEANとの関係発展についても議論されたようです。

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自由で開かれたインド太平洋戦略(外務省HPより)

今回初の外遊として二国を選んだのは、アジア戦略ということの他にも親日国であるということも考慮に入れたのでしょう。

この訪問を足掛かりに、ASEANとの連携を密にしつつアジアの経済発展と安全保障をリードしていければと思います。

 

また首相の訪問に先立ち、ベトナムへ豪雨被害からの復旧のため40億円規模の医療物資等の支援、またインドネシアにも総額44億円以上の医療支援をしているほか、首相は会談でインドネシアの災害対応能力を高めるために最大500億円の円借款(ローン)を供与することを表明しました。

今年2月にも最大318億円の円借款を供与しており、これらはインドネシアの政策目標の進捗状況を日本も確認し、防災政策の改善を一緒に後押ししようとするものです。

 

こうした東南アジアをはじめとする国々への日本のODA(政府開発援助)は、「困っている国民がいるのに他の国を支援するなんて」「自分たちにその分のお金をくれ」といった感情論で語られる場面も少なくありません。

特にネットの普及、また一人ひとりが意見を表明しやすく、それが容易に増幅しうるSNS時代において目立ってきたように思えます。

 

ですが、こうした国際援助は短期的に利益を求めるのではなく、将来的な恩恵にあずかるために実施しているということを理解する必要があるでしょう。

それはさながら種芋をすぐに食べるのではなく、畑に植えて育てることで、やがて何倍もの芋を収穫することができるようなものです。

 

ヨハネ福音書十二章の24でイエスが語った「一粒の麦は、地に落ちて死なねば、いつまでもただの一粒である。しかし死ねば、多くの実を結ぶ」及びその後の節で「この世の命をかわいがる者は永遠の命を失い、この世で命を憎む者は、命を守って永遠の命にはいるであろう」という言葉があります。

ここまで考えて自ら犠牲を払うところまではいかなくても、国として一粒の麦(自分のご飯の一部)を支援に回し、多くの実(関係諸国並びに世界の発展とそこから得られる恩恵)を結ぶということが自分から進んで寄付をしたり、活動しなくても税金から自動的に処理されるのは、ある意味手間がかからず良いのではないかと思います。

 

日本国憲法第九条はしばしば自衛隊に関する議論で話題に上がりますが、戦力保持に関する部分の前に「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求」すると明記されており、積極的な平和外交の手段として、国際援助は重要な手段の一つでしょう。

同時に、日本の将来世代へ負担をかける形で国際支援をしている現状を認識し、投資先の発展をどのように未来の日本に活かしていくか、そうした出口戦略も考えていく必要があるのではないでしょうか。

 

父も気兼ねなく育休取るには

記事本文

www.nikkei.com

要約

父親が育休を取得しやすくなる方法を考える必要がある。

感想

厚労省によると、令和元年10月1日時点の状況として男性の育児休業取得率は7.48%と上昇傾向が続いています。

女性の育休取得率は83%で、こちらはほぼ横ばいです。

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育休取得率の推移(厚労省「令和元年度雇用均等基本調査」より)

www.mhlw.go.jp

 

政府は、2025年に男性育休取得率を30%まで上げることを目標としています。

女性活躍政策の一環として公務員採用者の女性比率を30%以上にするという目標が掲げられた際には官邸からのプレッシャーがあったと耳にしますが、今回も同様なことが起こるかもしれません。

 

育児休暇を取得できる要件を満たしている場合に半ば無理やりとらせるように、「育休を取得できない理由」の申告を労働者や上司に義務付ける事業者も出てくるのではないでしょうか。

働き方改革で残業が規制され、「時間外労働をしなければならない理由」を申告する手間が増えたことと似ていますね。

 

一方育休取得者が増えることで、育休以外の様々な事情から休暇をもらいたいという人が休みを取りづらくなる懸念もあります。

休む人がやっていた業務をどのように分配するかというマネジメントも今後必要になってくるでしょう。

 

IT技術も駆使して効率的な業務を行いつつ、取引先に「担当者が育休を取得するので」といった相談をすることが日常的になり、業務の簡素化・代替可能化を社会全体で進めていければ良いと思います。

仕事は代替可能でも、子どもにとっての「親」という役割は唯一無二なのですから。