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【社説】2020年10月13日:デジタル通貨の国際競争に日銀も備えよ/北は米大統領選を機に転換を

デジタル通貨の国際競争に日銀も備えよ

記事本文

www.nikkei.com

要約

各国中央銀行がデジタル通貨発行の準備をしている。

感想

デジタル通貨が世界各国で導入に向けた動きが進むのを見ていると、ディオゲネスが「ポリティコン・ノミスマ(国の中で広く通用してるもの=諸制度・習慣=道徳・価値)を変えよ」と神託を受けて通貨を変造したことを思い出します。

現在中央銀行が発行し、あらゆる取引の価値基盤となっている通貨のかたちが変わるということは、最初に「貨幣」が生まれた時と同じくらいのパラダイムシフトが起こるのではないでしょうか。

実物の通貨が使われなくなるのは自分が高齢者になるくらいかと思っていたので、技術革新のスピードに驚かされます。

 

一方、デジタル通貨発行における国際競争の構図も気になります。

報道によると中国のデジタル人民元が普及し、新興国が中国経済圏に囲い込まれるのを日米欧は危惧しているとのこと。

一昔前に盛んだった米ソによる国威発揚のための宇宙開発競争に似たものを感じます。

 

ただその時と異なるのは、カンボジアなどの新興国と呼ばれる国の中にも自らデジタル通貨を発行する動きがあることと、Facebookのような民間企業もデジタル通貨を発行しようとしていることです。

願わくは、現在経済的に影響力を持つ大国・大企業だけが独占するのではなく、広く様々な国・企業が対等な立場で参加し、世界的に協調して人類全体としてイノベーションを推し進めてほしいです。

 

またデジタル通貨が普及した場合、従来の経済学の原理が働かない場合も起こるでしょう。

日銀は来年度から実証実験を始めるそうなので、その過程や結果を経済学者など広く一般にも共有し、新たな理論づくりをしておくべきだと考えます。

そうすれば、どのような場合にデジタル通貨危機が起こるかなどをある程度予測でき、各国がデジタル通貨を導入する際にビルト・イン・スタビライザーのような仕組みをあらかじめ設置しておくことができるでしょう。

 

北は米大統領選を機に転換を

記事本文

www.nikkei.com

要約

北朝鮮は戦争抑止力のためと言い核開発を続けている。米大統領選を機に方針転換すべきだ。

感想

金正恩委員長にトップが交代した際には、北朝鮮の態度が柔らかくなる機運が高まったり、38度線を韓国大統領とともにまたいだりと何度か国際協調に向かうかと思われた時もありましたが、現在に至るまで実現していません。

 

軍事パレードで金委員長も人民を想い涙ぐむ場面もあったそうで、彼も苦悩しているのだと思います。

おそらく生まれた時から父や祖父が独裁者として国を統治していたのを見ており、そのような指導者になるよう帝王学などの教育も受けているのでしょう。

 

だからこそ国を良くしたいと考えていても、まず自分という人間を構成するアイデンティティの否定から始めないといけないという壁があるのだと思います。

そして周囲の人間も自分が独裁者であることを前提としてその統治体制を維持するために存在しているため、改革したいと考えていてもそのままの状態を保つ方が楽であり、既得権益を持つ者からは反発もあるでしょう。

 

北朝鮮改革に金委員長の積極的な自己否定が条件というのは、ファフナー搭乗に必要なシナジェティック・コードの形成と似ていますね。

彼は皆城総士のように、独裁者というアイデンティティ(総士にとっては左目の傷)が自分を自分にしているという考えがあるため、国の改革(総士にとってはファフナーに乗ること)が困難なのでしょう。

いっそのこと、総士のようにジークフリードシステムの担当者となり、パイロット(=優秀な改革派)の痛み(=国家としての責任)を肩代わりする役回りになってはいかがでしょうか。

きっと、北朝鮮にも一騎や真矢のような信頼をおける有志がいるはずです。